チャイナウオッチ 株式担保融資に苦しむ民間 政府救済で進む「国有化」=神宮健
中国では株価下落で、株式を担保に融資を受けている多くの民間企業が苦境に陥っている。中国政府が救済策を打ち出す中、民間企業の担保株式を国有企業が買い取る動きが出始め、事実上の「国有化」の進展を懸念する声もある。
ワールドウォッチ
昨年以降、正規の銀行融資以外のシャドーバンキング(影の銀行)の取り締まりなど金融リスクへの対応策が続き、経済全体の資金の流れが停滞。中国株式市場の代表的な指標である上海総合指数は、米中貿易摩擦の影響も加わって、年初から10月下旬までに2割強も下落した。
こうした中、市場にくすぶっていたのが「株式担保融資」の問題だ。企業が株式を担保に証券会社や銀行から融資を受けるもので、10月時点の掛け目(担保率)では、担保となる株価の2~3割程度の融資が得られる。
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週刊エコノミスト
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