経済・企業エコノミストリポート

再編の鍵は銀行法の歴史にあり 厳しさ増す地銀経営=吉沢亮二

地銀再編は始まっているが……。左から、統合が決まった親和銀行の吉沢俊介頭取、ふくおかフィナンシャル・グループの柴戸隆成社長、十八銀行の森拓二郎頭取
地銀再編は始まっているが……。左から、統合が決まった親和銀行の吉沢俊介頭取、ふくおかフィナンシャル・グループの柴戸隆成社長、十八銀行の森拓二郎頭取

 地方銀行は実質的に海外業務展開が難しく、国内業務の預貸業務が収益の大宗を占める。そのため、日銀によるマイナス金利政策導入後の市場金利低下から困窮度合いが深まっている。

 つまり、日本の地銀をめぐる経営環境は、マクロ的な要因(民間部門の資金余剰や過当競争)とミクロ的な要因(提供商品のコモディティー〈汎用(はんよう)〉化やリストラの遅行など)が重なり、極めて厳しい状況となっている。他方で、収益低下が進むほど地銀のもつ公共性の側面を強調する者も増えている。

 このように事態が混迷したときは、原点に戻ると問題が整理できることが多い。銀行の場合で言えば、設立根拠法でもあり、文字通り経営の原点となる「銀行法」をひもとくことだ。銀行法には先人の経験や英知が凝縮されている。

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週刊エコノミスト

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