HDDで進む記録密度への挑戦=松永新吾/22
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東芝と米社が取り組む微細化の次
HDDは磁気ディスク(磁性材を成膜した円板)の中の微小な磁石の向きが反転する現象を利用して1と0のデータを記録・再生する装置で、パソコン(PC)やAV機器、データセンターなどの記録装置として広く利用されている。
HDDの歴史は古く、1956年に米IBMが発表した「RAMAC」が世界初のHDDと言われている。すでに半世紀上の歴史がある技術だが、磁気ディスクの表面を磁気ヘッドが移動することで記録・再生する、という基本的なメカニズムは現在も変わっていない(図1)。
変わったのは記録密度(容量)と機器の大きさである。直径24インチ(約60センチメートル)の磁気ディスクを50枚使用していたRAMACは、とにかく大きかった。一方で、記録密度は平方インチ当たり2キロビットと、現在のHDDとは比較にならないほどの少なさである。
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週刊エコノミスト
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