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非鉄相場が示す中国停滞の悪影響=市岡繁男

 年初からの東京証券取引所の業種別株価の騰落率をみると、ワースト2位は非鉄株(マイナス34%)である。非鉄業界は典型的な市況産業で、株価はニッケルや銅などの国際価格に振り回されてきた。今年の株価低迷も非鉄価格の急落が主因で、年初からニッケルは10%、銅は13%も落ち込んでいる(図1)。

 非鉄相場が不振なのは中国経済の停滞に起因する。実際、人民元と非鉄の相場は連動しており、18年に入って人民元も大きく下げている。

 中国の実質国内総生産(GDP)は米国に次ぐ世界2位だが、その構成項目である総固定資本形成(設備投資)は2010年以降、米国を抜いて世界最大のウエート(23%)を占めている(図2)。その過程で設備投資に不可欠な非鉄の消費が増大し、中国のシェアはニッケルが53%、銅が50%と軒並み、世界の過半数を超えるに至った。

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