国際・政治エコノミストオンライン

台湾で大学が経営危機 少子化は世界ワースト3位=井上雄介

康寧大学の台北キャンパス(台北市内湖区)=11月27日 筆者撮影
康寧大学の台北キャンパス(台北市内湖区)=11月27日 筆者撮影

 台湾で今年、3発の“地雷”が相次ぎ爆発した。経営破綻しそうな大学を台湾で「地雷」と呼ぶ。知らずにうっかり踏み込むと、突然廃校して跡形もなくなり、学生もキャリアに大きな傷を負う可能性があるためだ。

 台湾では経済成長に伴う社会の需要と、子どもを大学に行かせたがる国民の要望に合わせて、1994年以降、大学が雨後のタケノコのように急増した。多くが専門学校から昇格した私立大学だったが、経済成長の鈍化と少子化で歯車は逆回転を始め、今や多くが経営危機に直面している。今年に入り、私立の康寧大学など3校が相次いで学生募集の停止を発表し、台湾内に大きな衝撃が走った。

 台湾の私立大・専門学校は、収入に占める学生納付金の割合が6~7割と高い。学生減少が財務状況の悪化と教育の質の低下に直結し、さらに学生数の減少を招く悪循環に陥るのが、経営危機のパターンだ。

残り2661文字(全文3032文字)

週刊エコノミスト

週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。

・会員限定の有料記事が読み放題
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で直近2カ月分のバックナンバーが読める

通常価格 月額2,040円(税込)

週刊エコノミスト最新号のご案内

週刊エコノミスト最新号

4月2日号

バブル超え 日本の実力24 実体経済と乖離する株高にたまるマグマ■編集部26 株価4万円 私はこう見る マネー資本主義が作った壮大なバブル■澤上篤人27 株価4万円 私はこう見る 割高感なく急速な調整はない■新原謙介28 株価4万円を考える 日本“企業”と日本“経済”は違う■山口範大30 日独逆転  [目次を見る]

デジタル紙面ビューアーで読む

おすすめ情報

編集部からのおすすめ

最新の注目記事