視界不良地帯4 仮想通貨 価格暴落に見る生き残りの条件=矢作大祐
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仮想通貨を代表するビットコインの価格下落が止まらない。2018年6月以降、約5000~8000ドル(約57万~90万円)で推移してきた相場は11月に急落。12月以降は約3000~4000ドル(約34万~45万円)で、17年12月の最高値の約6分の1に暴落している。 11月の急落は、17年にビットコインから分裂した「ビットコインキャッシュ(BCH)」が関係者の意見対立でさらに分裂し、仮想通貨の先行きが懸念されたためとみられる。 ビットコインを支える「マイナー」(採掘者)が売却を急いだのも拍車をかけた。マイナーは、取引を記録したデータの「ブロック」(台帳)を作成して過去の台帳につなげ(ブロックチェーン)、報酬として新規発行されたビットコインを受け取る。この作業は新たにコインを生み出すため「マイニング(採掘)」と呼ばれ、コンピューターによる大量の暗号解読が必要だ。そのコストは中小のマイナーで1ビットコイン当たり5000~6000ドルとされる。しかし、11月の急落で価格が5000ドルを下回ると、コスト割れの被害拡大を防ごうとした中小マイナーが売却を急ぎ、下落幅が広がったと考えられる。
価格の下落は、ビットコイン以外の仮想通貨でも相次いだが、下落幅では差が出た。時価総額が相対的に大きい仮想通貨の18年11月末時点の対ドルレート騰落率(対前月末比)を見ると、BCHが約6割、イーサリアムやビットコインが約4割減ったのに対し、リップルは約2割の減価にとどまった(図)。
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週刊エコノミスト
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