経済・企業世界経済総予測2019

視界不良地帯3 ロシアとウクライナ 対立深化の背景に宗教分裂=下斗米伸夫

宗教つながりの「兄弟国」に亀裂が走る(モスクワのロシア正教会の教会) Bloomberg
宗教つながりの「兄弟国」に亀裂が走る(モスクワのロシア正教会の教会) Bloomberg

対立深化の背景に宗教分裂 プーチン牽制へ米国が暗躍

 2018年11月、クリミア半島近海のケルチ海峡でロシアの監視船が「領海侵犯」との理由でウクライナ海軍の艦船を拿捕(だほ)した。両国の国境地帯で起きたこの事件は、今、ウクライナ国内で起きている、ある問題が“飛び火”したものだ。

 その問題とは、宗教上、ロシアとウクライナを「兄弟国家」としてつないできた「正教会」(東方教会、ギリシャ正教会とも呼ばれる)の分裂劇である。ウクライナとロシアは、14年に国際社会からウクライナ領と承認されていたクリミア半島をロシアが併合して以降、対立を深めているが、正教会の分裂により両国の亀裂は決定的になる懸念が出てきた。

 そもそも、正教会とは、キリスト教会が1054年に東西分裂したとき、現在のカトリック教会(西方教会)と袂(たもと)を分かって生まれた教派だ。正教会では国ごとに教会組織が置かれ、ロシアでは第二次大戦期にスターリンによってロシア正教会が事実上「国教」化された。

残り1011文字(全文1439文字)

週刊エコノミスト

週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。

・会員限定の有料記事が読み放題
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で過去8号分のバックナンバーが読める

通常価格 月額2,040円(税込)

週刊エコノミスト最新号のご案内

週刊エコノミスト最新号

2月14日号

どうする?どうなる?日銀大検証16 岸田政権「インフレ抑制」へ 10年ぶり総裁交代で緩和修正 ■浜田 健太郎19 インタビュー 軽部謙介 帝京大学教授・ジャーナリスト 日銀が甘くみた内閣の力 「安倍1強」に内部ひょう変21 「 ガラパゴス」日銀 市場機能をマヒさせた「看守」 低金利慣れの財政に大打撃 [目次を見る]

デジタル紙面ビューアーで読む

おすすめ情報

編集部からのおすすめ

最新の注目記事