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週刊エコノミスト Online チャイナウオッチ 中国視窓

チャイナウオッチ 暗雲の米中 先端軍事技術の覇権争いに=金子秀敏

習政権の国家戦略を担う企業なだけに、米国への対応が注目される Bloomberg
習政権の国家戦略を担う企業なだけに、米国への対応が注目される Bloomberg

 中国通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)の孟晩舟・副会長が12月1日に逮捕された事件は、米中対立が「貿易戦争」の枠を超え、先端軍事技術の覇権を争う「新冷戦」に突入したことの象徴だ。

 米中関係の混迷は、世界の株式市場を不安定にしたばかりではない。中国では10月に行われるはずの重要な政治会議、共産党中央委員会全体会議が遅れに遅れ、習近平・国家主席の独裁体制にかげりが出た。さらに、今回の逮捕劇で中国世論の反米感情が高まり今後、習政権の対米譲歩の余地はますます狭まった。

 孟副会長はアルゼンチン・ブエノスアイレスで開かれた主要20カ国・地域(G20)首脳会議の関連会議に出席後、ファーウェイ本社のある中国・深センに戻るため、カナダ・バンクーバーの飛行場で乗り継ぎ手続き中にカナダ司法当局に拘束された。米司法当局は身柄の引き渡しを要求。容疑は、イランに経済制裁違反の製品を輸出した事件にからむもので、8月から米司法当局が逮捕状を取って捜査を進めていた。

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