週刊エコノミスト Online 2040年の社会保障を考える
正社員女性が第2子を出産する条件 時短と男性の育児参画が効果=永瀬伸子/28
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日本が抱える根底的な課題は出生数の減少である。今回は、正社員女性が子どもを2人持てないことの問題について考える。人ごとと思われるかもしれないが、日本経済の今後、社会保障の今後を考えれば自分ごとであると知ってほしい。
すでに読者はご存じかと思うが、平均的な女性が産む子どもの数の指標である合計出生率は2005年に1.26と最低を記録、その後は06年に1.34に、また12年には1.41に上昇し、15年には1.45となったが、17年には1.43とやや下落傾向にある。このように出生率は回復傾向にあるものの、1年間の出生数は05年の106万人に対して、16年から2年連続で100万人を割った。これは出産年齢にある女性人口の減少が主因である。国立社会保障・人口問題研究所の中位予測によれば、合計出生率は今後1.4前後で横ばいとしても、出生数は30年には現在よりさらに下がり82万人へ、40年には74万人に、50年には66万人に減るとされている。子ども数が大きく減っていくのは、今日子どもが生まれなければ、20年30年後に子どもを持つであろう人口そのものが減ってしまうからである。人口は減少し、超高齢社会はより深刻となる。
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