消費税の呪縛 変わる「政策目的」に消費翻弄=星野卓也
平成の30年間、消費税は日本経済を大きく揺るがしてきた。数字を見ても、3度の消費税は日本経済に大きなショックをもたらしてきたことがわかる。1989年から2018年7~9月期までの119四半期のうち、個人消費が年率マイナス5%を超える落ち込みを記録した時期は6度ある(図1)。1度目は3%の消費税が導入された1989年4~6月期だ。2度目はこれが5%に引き上げられた97年4~6月期である。
その後、リーマン・ショック直後の2008年10~12月期、エコカー減税効果やたばこ税増税前の駆け込みの反動減がみられた10年10~12月期、東日本大震災により自粛ムードが広がった11年1~3月期がある。そして、消費税率が5%から8%へ引き上げられた14年4~6月期である。3度の消費税導入・税率引き上げは、平成30年間の個人消費に大きなショックを与えたイベントに名を連ねている。
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週刊エコノミスト
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