経済・企業平成経済30年史

バブルの狂気 興銀の「異常」が象徴する衰退・崩壊への必然的結末=永野健二

興銀は異常な取引にのめり込んでいった(右=尾上と、尾上が経営していた料亭、左=経営破綻して店舗閉鎖が相次いだ「そごう」と水島)
興銀は異常な取引にのめり込んでいった(右=尾上と、尾上が経営していた料亭、左=経営破綻して店舗閉鎖が相次いだ「そごう」と水島)

 日本経済新聞社で証券部に在籍していた筆者らの元に、複数の日本興業銀行関係者から「尾上縫(おのうえぬい)」という女性の名前が寄せられたのは1991年の春のことだった。今から考えれば数々の異常な取引が、バブル崩壊によって表社会に出始めたころだった。

「常識を外れた規模の、常識を外れた取引が大阪支店で行われている」──。大阪のミナミの中小料亭のおかみを務める一個人に過ぎない尾上が、興銀が発行する割引金融債「ワリコー」を2500億円以上買い付け、ワリコーを担保に興銀を含む銀行やノンバンクから資金を受けて、株式投資に回しているという。

残り2540文字(全文2805文字)

週刊エコノミスト

週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。

・会員限定の有料記事が読み放題
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で過去8号分のバックナンバーが読める

通常価格 月額2,040円(税込)

週刊エコノミスト最新号のご案内

週刊エコノミスト最新号

8月23日号

電力危機に勝つ企業12 原発、自由化、再エネの死角 オイルショックを思い出せ ■荒木 涼子/和田 肇15 電力逼迫を乗り越える 脱炭素化が促す経済成長 ■編集部16 風力 陸上は建て替え増える 洋上は落札基準を修正 ■土守 豪18 太陽光 注目のPPAモデル 再エネは新ビジネス時代へ ■本橋 恵一2 [目次を見る]

デジタル紙面ビューアーで読む

おすすめ情報

編集部からのおすすめ

最新の注目記事