金融危機と再編 「銀行は破綻しない」時代の終焉 変わらぬ「質より量」の旧来体質=長田健
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明治維新以降の日本金融史の中で、平成は「大きな政府がコントロールしていた日本型間接金融が崩壊した30年」と位置づけられることになるだろう。
明治維新から日中開戦まで、日本は株式などを通じた直接金融中心だったと言われている。その後、戦争、そして戦後復興のために、政府はさまざまな法令や規制を駆使し、直接金融を通じた資金の流れを、政府が管理しやすい銀行を中心とする間接金融の流れへと作り替えた。これは日本の高度経済成長をもたらした。しかし、大きな政府が市場経済の力にあらがえるわけもなく、1970年代の石油危機を機に砂上の楼閣はほころび、バブル崩壊によって崩れ始めた。
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