経済・企業平成経済30年史

金融危機と再編 「銀行は破綻しない」時代の終焉 変わらぬ「質より量」の旧来体質=長田健

    主な金融機関の破綻・再編の経緯
    主な金融機関の破綻・再編の経緯

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     明治維新以降の日本金融史の中で、平成は「大きな政府がコントロールしていた日本型間接金融が崩壊した30年」と位置づけられることになるだろう。

     明治維新から日中開戦まで、日本は株式などを通じた直接金融中心だったと言われている。その後、戦争、そして戦後復興のために、政府はさまざまな法令や規制を駆使し、直接金融を通じた資金の流れを、政府が管理しやすい銀行を中心とする間接金融の流れへと作り替えた。これは日本の高度経済成長をもたらした。しかし、大きな政府が市場経済の力にあらがえるわけもなく、1970年代の石油危機を機に砂上の楼閣はほころび、バブル崩壊によって崩れ始めた。

     平成冒頭の1991~92年に起こった東邦相互銀行(愛媛県)の破綻および伊予銀行(同)による救済合併は、その後の間接金融崩壊の特徴を多くはらんでいる。その一つが「破綻・合併」である。東邦相銀は地場基幹産業である造船不況のあおりも受けて業績が悪化。東邦相銀の破綻・合併は、経済全体へのインパクトこそ大きくはなかったが、銀行は破綻しないと考えられていた時代の終焉(しゅうえん)を告げる形となった。

     東邦相銀の破綻からしばらくすると、大銀行の機能不全が露呈する。都市銀行だった北海道拓殖銀行が97年11月に破綻し、長期信用銀行の日本長期信用銀行(現新生銀行)が98年10月、日本債券信用銀行(現あおぞら銀行)が同12月にそれぞれ国有化された。日本はこの時期、文字通り金融危機の嵐が吹き荒れ、2006年1月の東京三菱銀行とUFJ銀行の合併(現三菱UFJ銀行)までの再編で、戦後の日本を支えた長期信用銀…

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