書籍・雑誌に軽減税率を適用すべきではない理由=永江朗
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消費増税まで1年を切ったが、軽減税率やポイント還元をめぐって各方面で議論と混乱が続いている。出版界も例外ではない。
出版4団体(日本書籍出版協会・日本雑誌協会・日本出版取次協会・日本書店商業組合連合会)は、かねてより書籍・雑誌への軽減税率適用を求めてきた。しかし12月14日に自民・公明両党が発表した与党税制改正大綱では適用の見送りを決定。出版4団体は即日「引き続き軽減税率適用を求める」との声明を出した。
問題点となったのは、いわゆる「有害図書」の排除をめぐってである。「有害図書」も含めて軽減税率の対象とすることに、与党内では反対の声が多い。そこで出版業界は、「有害図書」を軽減税率対象から除外すること、何を「有害図書」とするかは第三者委員会が決めることを提案してきた。だが、この案には問題が2点ある。ひとつは、これだと課税対象と税率を民間団体が決めることになってしまう。それゆえ官僚の反対が強いといわ…
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週刊エコノミスト
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