著作権保護期間延長は弊害だらけ=永江朗
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環太平洋パートナーシップ協定(TPP)が2018年12月30日に発効した。これに伴い著作権法が改正されて、死後50年だった著作権保護期間が70年に延長された。しかし、保護期間の延長は作家自身にとって、何ひとついいことがない。なにしろ死後のことだから、著作権使用料を自分で受け取るわけではない。
また、作家は読む人でもある。保護期間延長によって自由に読める本が制限される。例えばインターネット上の電子図書館「青空文庫」は、保護期間が終了した作品をデジタル化して無料公開しているが、延長によって今後20年は新たな保護期間終了作品が出ないことになる。多くの電子書店では、青空文庫のデータをもとに電子書籍を無料で提供しているが、それにも影響するだろう。また、作家が過去の作品を用いて新たな作品を創作する場合も、制限…
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週刊エコノミスト
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