ゾエティス 世界最大手の動物薬メーカー=永井知美/222
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◆Zoetis
米ゾエティスは、2013年に医薬品メーカー、米ファイザーからアニマルヘルス部門が独立・上場して誕生した企業で、家畜(牛・豚・家禽(かきん)・魚など)、ペット(犬・猫など)向け医薬品売上高で世界首位(17年、独統計ポータルサイト「Statista」などによる)だ。ファイザー時代から数えると、70年近い歴史を持つ老舗で、動物用感染症治療薬、ワクチン、駆虫薬、飼料添加剤、検査機器など、約300にのぼる幅広い製品を100カ国超で展開している。
世界の動物薬市場は、ヒトの医薬品市場に比べると約3%(約320億ドル)の規模しかなく(17年)、同社の売上高純利益率も16%(17年12月期)と、古巣ファイザーの同41%に比べると低い。だが、ヒトの医薬品市場では高血圧、脂質異常症、糖尿病など、生活習慣病の大型新薬の特許が相次いで切れ、業績悪化が懸念される企業が少なくないのに対して、アニマルヘルス分野は、(1)世界的な人口増加、新興国を中心とする…
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週刊エコノミスト
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