マコーミック 世界最大級のスパイスメーカー=小田切尚登 海外企業を買う/221
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◆McCormick
米国を代表する食品メーカー、マコーミックはスパイスの生産、販売、流通、すべての面で、世界のリーディングカンパニーだ。
ここでいうスパイスとは、ペッパーやハーブ、エッセンスなどの香辛料・香味料に加えて、それらの各種調味料を混ぜて作った食材全般を指す。現在、約215億ドル(約2.4兆円。米P&Sインテリジェンス調査)というスパイスの世界市場は、順調に拡大している。(1)食習慣のグローバル化によって欧米でもスパイスをたくさん使ったエスニック料理が一般化している、(2)健康志向の流れの中でスパイスやハーブの薬効や塩分代替性が注目されている、(3)外食やデリバリーの食品はスパイスを多用する──などがその理由だ。
スパイス業界は比較的小さい会社が乱立している業界だが、マコーミックはその中で強固な地位を確立している。世界シェアは約2割で、競合企業の4倍近い。マコーミックは自社を「フレーバー(風味)のグローバル・リーダー」と称する。マコーミックのほか、ロウリーズやフレンチズなど、同社のブランドは欧米で広く知られている。
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週刊エコノミスト
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