ダナハー M&Aで成長する科学機器製造=児玉万里子/219
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◆Danaher
ダナハーは、米国の科学技術分野の大手機器メーカーである。2016年に一部事業をスピンオフ(分離独立)させるまでの売り上げや利益の成長は極めて高かった。例えば、01年から14年までに売り上げは5倍、純利益は9倍に膨らんだ。この間、最高経営責任者(CEO)として同社を率いたローレンス・カルプ氏が、今年10月に経営立て直し中の米ゼネラル・エレクトリックのCEOに初めて生え抜き以外から登用され、話題になっている。
同社のスタートは、1969年にレイルズ兄弟が米マサチューセッツ州に設立した不動産投資会社DMGだ。もともとはメーカーではなかった。社名をダナハーに変えたのは84年。今日の事業に直接つながるのは、86年に業績が悪化していたメーカー、米シカゴ・ニューマティックを買収したことにある。電動工具、産業機器、ブレーキなどを作る会社だったが、トヨタ流の品質管理、「カイゼン」の手法を取り入れて、その後会社を立て…
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週刊エコノミスト
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