教養・歴史書評 読書日記

現実に圧倒される年末 絵の聖性に思いをはせる=楊逸

×月×日

 あっという間に2018年も過ぎようとしている。時がたつのが激しく速くなったと感じる一方、ここ一年の間で起きた「こと」は、トルコのサウジアラビア総領事館殺人しかり、カリフォルニア大火しかり、日産のゴーン社長の件など、どれも「常識人」としての受容限界を大きく超えるものばかりだ。 

 時代も世界も、津波さながらのうねりを起こして変わろうとしているのではないか。最近とくにそんな気がしてならない。

 12月に入っても寒くならない空気の中で、『聖と俗 分断と架橋の美術史』(宮下規久朗著、岩波書店、3400円)を読む。聖とは? 俗とは? 本のタイトルを目にするや、その定義と線引きについて興味を注がれ、手に取った一冊だ。

残り968文字(全文1277文字)

週刊エコノミスト

週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。

・会員限定の有料記事が読み放題
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で直近2カ月分のバックナンバーが読める

通常価格 月額2,040円(税込)

週刊エコノミスト最新号のご案内

週刊エコノミスト最新号

4月30日・5月7日合併号

崖っぷち中国14 今年は3%成長も。コロナ失政と産業高度化に失敗した習近平■柯隆17 米中スマホ競争 アップル販売24%減 ファーウェイがシェア逆転■高口康太18 習近平体制 「経済司令塔」不在の危うさ 側近は忖度と忠誠合戦に終始■斎藤尚登20 国潮熱 コスメやスマホの国産品販売増 排外主義を強め「 [目次を見る]

デジタル紙面ビューアーで読む

おすすめ情報

編集部からのおすすめ

最新の注目記事