教養・歴史書評 読書日記

ブレイディみかこの読書日記 現代社会を笑い撃つユーモアと孤高の知性

『ウラミズモ奴隷選挙』
『ウラミズモ奴隷選挙』

×月×日

 わたしは英国在住なので、ライターの仕事を始めるまで、日本語の活字を読む機会がなかった。で、久々に日本の新聞や雑誌を読むようになった頃、驚いたことがあった。

 記事が真面目だったからだ。英国の新聞コラムや雑誌記事にはユーモアがちりばめられているが、日本のジャーナリズムでは笑いの要素はご法度のようである。

 が、代わりに小説でそれをやっている作家がいる。笙野頼子著『ウラミズモ奴隷選挙』(河出書房新社、2100円)を読みながら、私は3分おきにのけぞって大笑いしていた。

残り1094文字(全文1330文字)

週刊エコノミスト

週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。

・会員限定の有料記事が読み放題
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で直近2カ月分のバックナンバーが読める

通常価格 月額2,040円(税込)

週刊エコノミスト最新号のご案内

週刊エコノミスト最新号

4月30日・5月7日合併号

崖っぷち中国14 今年は3%成長も。コロナ失政と産業高度化に失敗した習近平■柯隆17 米中スマホ競争 アップル販売24%減 ファーウェイがシェア逆転■高口康太18 習近平体制 「経済司令塔」不在の危うさ 側近は忖度と忠誠合戦に終始■斎藤尚登20 国潮熱 コスメやスマホの国産品販売増 排外主義を強め「 [目次を見る]

デジタル紙面ビューアーで読む

おすすめ情報

編集部からのおすすめ

最新の注目記事