ブレイディみかこの読書日記 現代社会を笑い撃つユーモアと孤高の知性
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わたしは英国在住なので、ライターの仕事を始めるまで、日本語の活字を読む機会がなかった。で、久々に日本の新聞や雑誌を読むようになった頃、驚いたことがあった。
記事が真面目だったからだ。英国の新聞コラムや雑誌記事にはユーモアがちりばめられているが、日本のジャーナリズムでは笑いの要素はご法度のようである。
が、代わりに小説でそれをやっている作家がいる。笙野頼子著『ウラミズモ奴隷選挙』(河出書房新社、2100円)を読みながら、私は3分おきにのけぞって大笑いしていた。
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週刊エコノミスト
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