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サウジアラビア 紅海上の勢力争い 沿岸諸国で過熱=相楽聖

 アラビア半島とアフリカ大陸を隔てる細長の海、紅海は、日量320万バレルもの石油が輸送される地政学上の重要性が極めて高い海だ。2018年12月12日、サウジアラビアの首都リヤドに紅海沿岸諸国7カ国(サウジ、エジプト、ヨルダン、イエメン、スーダン、ソマリア、ジブチ)が集まり、経済協力及び安全保障の枠組み構築のための協議を行った。紅海沿岸では対抗勢力が勢力を伸ばしてきている。

 筆頭格が犬猿の仲にあるイランと、ジャーナリストのカショギ氏事件以降急速に関係が悪化するトルコだ。イランが支援するイエメンの反体制派フーシは沿岸の港町ホデイダを支配。18年7月には紅海航行中のサウジの石油タンカーが、フーシの攻撃に遭った。トルコも、紅海に浮かぶスーダンのスアキン島を99年間借り上げ、ソマリアにはトルコ軍最大規模の海外軍事基地を有し、約3000人の兵士を駐留させる。

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