新規会員は2カ月無料!「年末とくとくキャンペーン」実施中です!

週刊エコノミスト Online ズバリ!地域金融

第11回 人口減を直視しない地域と現実性ない地銀の収益予想=浪川攻

地域も未来に向けて歩く(撮影=中村琢磨)
地域も未来に向けて歩く(撮影=中村琢磨)

 ある九州地域の地銀の頭取が県で開催された人口増加に向けた委員会の話を教えてくれた。

「さまざまな提案が出されて、報告書がまとまった。人口増のシミュレーションを事務局が策定した。10年後、県内人口が増加に転ずるという内容だった」

 おそらく、人口減に直面する各道府県が同様の取り組みをしているはず、と言う。その結果、すべての道府県のシミュレーションの数字を合計すると、「わが国は順調に人口が増加していて、人口問題は消えている」と最後は苦笑交じりの結論である。

 現状、日本では地域の人口増加は移民の受け入れなどがない限り、他の都道府県からの移住でしか実現しない。したがって、増える道府県があれば、その分、他の道府県で人口は減少するしかない。しかし、すべてが自分たちだけが増えるビジョンを掲げているという話である。

残り1029文字(全文1382文字)

週刊エコノミスト

週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。

・会員限定の有料記事が読み放題
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で直近2カ月分のバックナンバーが読める

通常価格 月額2,040円(税込)が、今なら2ヶ月0円

週刊エコノミスト最新号のご案内

週刊エコノミスト最新号

12月3日号

経済学の現在地16 米国分断解消のカギとなる共感 主流派経済学の課題に重なる■安藤大介18 インタビュー 野中 郁次郎 一橋大学名誉教授 「全身全霊で相手に共感し可能となる暗黙知の共有」20 共同体メカニズム 危機の時代にこそ増す必要性 信頼・利他・互恵・徳で活性化 ■大垣 昌夫23 Q&A [目次を見る]

デジタル紙面ビューアーで読む

おすすめ情報

編集部からのおすすめ

最新の注目記事