経団連会長の三つの発言=古賀茂明
有料記事
昨年末から年明けにかけて、経団連会長の中西宏明氏(日立製作所会長)の三つの発言が注目を集めた。
まず最初が昨年12月17日の対英原発輸出に関する発言。「もう限界だ」「『もう限界だよ』と英国政府には言ってある」というものだ。事実上の原発輸出断念宣言だと騒がれた。年明けの1月5日には、原発事業について、「お客様(電力会社)が利益を上げられない商売でベンダー(提供企業)が利益を上げるのは難しい」「どうするか真剣に一般公開の討論をするべきだ」「全員が反対するものをエネルギー業者やベンダーが無理やりつくるということは、民主国家ではない」と発言し、これも、原発事業からの撤退宣言かと報じられた。
ところが、1月15日には一転して、東京電力福島第1原発事故後に停止している原発について、「再稼働をどんどんやるべきだ」と述べ、原発の新増設も認めるべきだとの認識を示した。さらに、「安全について十分議論し尽くしている原発も多いが、自治体がイエスと言わない。これで動かせない」「原子力に関する議論が不足している」「討論しないといけない」などと、原発推進のために真っ向から議論すべきだという姿勢を示した。
残り274文字(全文769文字)
週刊エコノミスト
週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で直近2カ月分のバックナンバーが読める