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資源・エネルギー 福島後の未来をつくる

仮想発電所(VPP)とは 再生エネ大量導入の切り札=今西章/81

 ここ数年で、太陽光発電を中心に再生可能エネルギー発電設備の導入量は急拡大した。2012年から開始した再生エネ発電所の電気を固定価格で買い取る国の制度であるFITが、導入拡大の起爆剤となったからだ。18年6月末時点での太陽光発電の累積導入量は約4000万キロワットに及ぶ。出力ベースで原子力発電所に換算すると40基分に相当する。

 しかし、導入は順調に進んだ一方で、新たな問題が生じている。送電線の受け入れ容量の限界問題だ。太陽光や風力発電などの再生エネ電源は天候に左右されて出力が変動することから、それらの電源が大量導入されると大手電力会社は送電線網を運用しにくくなる。送電線網全体で再生エネ電気の供給量が地域全体の需要量を上回ってしまい、大規模停電を引き起こすなどのリスクが生じるからだ。

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