大隈重信の信念はどこへ=片山杜秀
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『朝鮮総督府統計年報』の昭和13(1938)年版を読んでいる。日本統治時代の朝鮮の実情を記録する膨大な数表がひたすら並ぶ。たとえば平壌の人口は約23万人で、うち1割が内地人、9割が朝鮮人。しかし、直接税の負担額で見ると、内地人と朝鮮人はほぼ同額だ。1割の人間が平壌の富の半分を持っていたと、類推できる。それほどの経済格差があったということだ。
また、昭和13年の自殺者は、内地人が約140人、朝鮮人が約2500人。理由も細かく分類されている。情死が39人、痴情のもつれが47人、失恋が34人というふうに。
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週刊エコノミスト
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