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週刊エコノミスト Online 闘論席

今の日本人に「皇室」はもったいなさすぎる=小林よしのり

 皇族は批判を受けても、一般の人のように反論できない。女性皇族となるとその意思はほとんど無視される。美智子皇后は週刊誌のデマ記事によってバッシングされ、失声症になられた。雅子妃殿下は「子を産む機械」として人格否定され、雑誌のバッシングにさらされ、適応障害に苦しまれた。

 そして秋篠宮殿下の長女眞子さまの意思は一顧だにされず、婚約が延期になっている小室圭氏はふさわしくないという判断をマスコミにあおられた国民がしている。しかし恋愛は障害があった方が燃え盛るものだから、眞子さまの意思は揺るぎそうにない。

 基本的人権も自由もない皇族には、まるでとらわれの身のような境遇を引き受けていただいている。申し訳ないという感情を抱かないのだろうか。

 天皇、あるいは皇族が、もうこの身分を辞めると言えば、鎖につなぐことはできないから、誰にも止めようがない。天皇・皇族の身分を「やっていただいている」と、国民は普段から思っているべきなのである。

 その謙虚さがあれば、小室氏が犯罪者でもない限り、眞子さまの思いをかなえてあげたいと思うのが真っ当な人情だろう。小室家は家柄が釣り合わないとか、小室氏は眞子さまを幸せにできないなどと言っているが、皇籍を離脱して民間人になるということは、不幸になる自由も得るということに他ならない。

 マスコミ・大衆が破談に追い込めば、眞子さまは二度と恋愛をできなくなるし、適当な男をあてがって結婚させようとしても、拒否されるに違いない。眞子さまの意思が固ければ、むりやり破談にすることの方がよっぽど不幸に突き落とす結果にしかならないのではないか。

 高貴な身分の人の不幸が見たくてしょうがないというのが大衆心理なのだろうが、秩序と安寧の要である皇室を頂く資格が国民にあるのかが問われている。

(小林よしのり・漫画家)

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