チャイナウオッチ 施政方針の策定大詰め 米中摩擦・景気減速が焦点に=真家陽一
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今年、建国70周年を迎える中国。国会に相当し、憲法が最高の国家権力機関と定めている全国人民代表大会(全人代)が3月5日から北京で開かれる。年1回の開催ということもあって、内外の注目を集め、北京の街は政治色一色に染まる。
全人代で特にポイントとなるのが、初日に国務院総理(中国の首相)が読み上げる「政府活動報告」。所信表明演説に相当し、当該年度の経済・社会政策の基本方針を決める文書だ。とりわけ、今年は米中貿易戦争への対応や減速傾向を強める経済への対策などが焦点となることから、例年以上にその内容への関心が高まっている。
そんな中、李克強首相は1月14日、国務院(内閣)全体会議を招集。「今年は発展環境がより複雑で、困難と試練がさらに多く、経済の下振れ圧力が増大し、政府活動が重く困難になっている」と率直に認めた。その上で、政府活動報告のたたき台となる「意見聴取稿」を中央・国家機関の関係部署、各地方政府、主要企業・団体などに送って意見を募ると決めた。李首相は「政府活動報告の起草は、各方面の共通認識と力を結集し、社会全…
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週刊エコノミスト
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