中国政府が内需減速に危機感 低中所得層の消費喚起に注力=李雪連
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中国の2018年の経済成長率は前年比6・6%増と、1990年以来の低水準にとどまった。その背景として米中貿易戦争が注目されているが、実は、経済をけん引するはずの13億人の国内消費の落ち込みが大きく影響している。中国政府は、経済成長のけん引役を、製造業を中心とした供給サイドから、消費者中心の需要サイドに転換することを目指しているが、果たしてうまく移行できるのだろうか。
国内消費の落ち込みが一番顕著に表れたのは、自動車販売である。新車販売台数は09年に米国を抜き、世界最大の市場になった。右肩上がりを続けていたが、18年は前年比2・8%減の2808万台と、28年ぶりに減少した。白物家電や携帯電話、パソコンなどの販売台数も軒並み前年割れとなっている(表)。中国では、マンションを購入した後、車や家電を買いそろえる消費パターンが一般的である。住宅販売の低迷が、自動車や家…
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週刊エコノミスト
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