論壇・論調 EU離脱、国境問題の修正焦点 英国、激変緩和に配慮で決着も=増谷栄一
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英国のEU(欧州連合)離脱協議は暗礁に乗り上げたままだ。EUへの離脱清算金390億ポンド(約5・5兆円)の支払いやEU市民の在留権の継続、北アイルランドとのハードボーダー(厳格な国境管理)回避で双方が合意した離脱協定案と、「EUとの将来の関係(自由貿易協定)」の大枠を示す政治宣言案が昨年11月のEUサミットで承認されたものの、英議会が1月15日、メイ首相が提出した離脱協定案を否決したためである。
メイ首相は承認拒否を受け、1月29日に代案(プランB)を再提出した。しかし、代案に対し7本の修正動議が相次いで提出され、うち2本で政府が敗北。メイ首相は2月2日付の英紙『デイリー・テレグラフ』への寄稿文で、「EUに対し離脱協定案の修正を求めることが議会の総意だ」として、EUとの再協議を決めた。しかし、EUは完全拒否の構えで、たとえ協議が始まっても出口は見えず、ノーディール・ブレグジット(合意なし…
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週刊エコノミスト
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