中国ショックは消えつつある=藻谷俊介
1月初のアップル・ショックに続いて、1月17日には日本電産ショックが市場を襲った。最近は「ショック」がいささか乱用される感があるが、永守重信会長の「昨年11~12月の尋常ではない変化」という言葉には、筆者も強く同感せざるを得なかった。それに先立つ1月14日に中国税関が発表した2018年12月の貿易統計に当社で季節調整をかけた時、まさしく筆者も背筋が凍るようなショックを受けたからである。
図1は、変化の中核となった中国の半導体輸入額である。その後、19年1月のデータで大きく回復していることが分かって安堵(あんど)したとはいえ、11~12月の落ち込み方は尋常ではなく、大規模な景気対策でせっかく底入れしつつあった中国経済が、再び悪化してしまう可能性が大いに高まった瞬間であった。日本電産は半導体企業ではないが、中国への半導体の流入が止まって生産できなくなれば、その周辺の部品も不要となり…
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週刊エコノミスト
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