シリコンサイクルと共に世界経済も反転=渡辺浩志
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世界経済の成長が減速している。その主因は、第一にシリコンサイクル(半導体需要の循環)の下降、第二に米中通商摩擦による世界貿易の萎縮と中国経済の悪化、第三に米国の金融政策正常化による市場心理の悪化にある。
世界経済反転のカギは、(1)米中通商協議の進展、(2)FRB(米連邦準備制度理事会)のハト派化、(3)中国の景気対策の効果発現、並びに(4)シリコンサイクルの反転にあると思われる。その点、(1)、(2)には糸口が見え、(3)は効果が出るまでなりふり構わぬ追加策が打たれる見込みだ。ただ、これらは底割れ回避に過ぎない。世界経済が明確に上向くには、(4)のシリコンサイクルの反転こそが重要だ。
そこでシリコンサイクルを半導体販売額の前年比でみると、通常は上昇局面と下落局面がそれぞれ2年程度続く傾向がある(図1)。今回は2016年後半から18年初めまでの2年間にわたって上昇したため、前例に従えば、下落局面は18年後半から20年初めまでとなる。シリコンサイクルがこれまで通りパソコンやスマートフォンの製品サイクルに規定されているなら、その反転は新製品のヒットを待つほかない。新製品発売が5G(…
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週刊エコノミスト
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