週刊エコノミスト Online独眼経眼

マイナス成長は1~3月期のみ=足立正道

図1 鉱工業生産が大幅に減少し、実質GDPもマイナスへ
図1 鉱工業生産が大幅に減少し、実質GDPもマイナスへ

 日本経済は2019年1~3月期に再び前期比マイナス成長に陥りそうである。最大の理由は、1月の鉱工業生産が季節調整済み前月比でマイナス3・7%と大幅に減少し、2~3月の製造業生産予測調査を踏まえると1~3月期の前期比が大幅なマイナスになりそうだからだ。

 経済産業省の上記予測調査を用いた2月の試算値はわずか0・4%の上昇にとどまっているほか、3月の予測値はマイナス1・6%となっている。1月の水準は既に昨年10~12月期を年率15・5%下回っており、2月の試算値と3月の予測値をそのまま適用すれば1~3月期はマイナス16・4%と、2014年の消費税率引き上げ後や11年の東日本大震災時を上回る減少となる。

 実際はそこまで弱くないかもしれないが、それでも大幅減少で、実質GDP(国内総生産)もマイナスになるとみるのが自然だ(図1)。生産が2月も弱いことは、2月PMI(購買担当者景気指数)製造業の生産や新規受注からみても確認できる。

残り678文字(全文1093文字)

週刊エコノミスト

週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。

・会員限定の有料記事が読み放題
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で直近2カ月分のバックナンバーが読める

通常価格 月額2,040円(税込)

週刊エコノミスト最新号のご案内

週刊エコノミスト最新号

4月30日・5月7日合併号

崖っぷち中国14 今年は3%成長も。コロナ失政と産業高度化に失敗した習近平■柯隆17 米中スマホ競争 アップル販売24%減 ファーウェイがシェア逆転■高口康太18 習近平体制 「経済司令塔」不在の危うさ 側近は忖度と忠誠合戦に終始■斎藤尚登20 国潮熱 コスメやスマホの国産品販売増 排外主義を強め「 [目次を見る]

デジタル紙面ビューアーで読む

おすすめ情報

編集部からのおすすめ

最新の注目記事