新規会員は2カ月無料!「年末とくとくキャンペーン」実施中です!

テクノロジー 治る バイオ薬&遺伝子・再生医療

再生医療最前線1 iPSの臨床試験始まる 異業種大手も存在感=野村広之進

iPS細胞を使ったパーキンソン病の治療について説明する京都大学の高橋淳教授
iPS細胞を使ったパーキンソン病の治療について説明する京都大学の高橋淳教授

 再生医療というキーワードを最近よく耳にするようになった。実は、再生医療自体は控えめにみても1970年代から研究されてきた、長い歴史のある医療分野の一つである。ただ、技術的に難しいことや、安全で効果があるのかが分かりにくかったことなどから、長年にわたって限られた病気だけに使われていたのが実態だった。

 ところが2000年代に入って、iPS細胞の発見などを含む多くの技術革新があり、再生医療のより大きな可能性が見えてきた。同時に、これまでの治療法では十分に対応できない病気も明確になりはじめ、にわかに新しい治療法としての注目が高まっている。

 18年は再生医療業界にとって記念すべき年であった。世界初のiPS細胞由来の細胞を用いた臨床試験を移植片対宿主病(GVHD、造血幹細胞移植後に多臓器に障がいが起こる合併症)に対して豪サイナータ社が英国で開始し、年末に良好なデータが発表された。国内初となった京都大学・高橋淳教授らによるパーキンソン病への医師主導治験には、大日本住友製薬が連携しており、第1例目への投与が始まった。こうした臨床試験や治験…

残り3007文字(全文3476文字)

週刊エコノミスト

週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。

・会員限定の有料記事が読み放題
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で直近2カ月分のバックナンバーが読める

通常価格 月額2,040円(税込)が、今なら2ヶ月0円

週刊エコノミスト最新号のご案内

週刊エコノミスト最新号

12月3日号

経済学の現在地16 米国分断解消のカギとなる共感 主流派経済学の課題に重なる■安藤大介18 インタビュー 野中 郁次郎 一橋大学名誉教授 「全身全霊で相手に共感し可能となる暗黙知の共有」20 共同体メカニズム 危機の時代にこそ増す必要性 信頼・利他・互恵・徳で活性化 ■大垣 昌夫23 Q&A [目次を見る]

デジタル紙面ビューアーで読む

おすすめ情報

編集部からのおすすめ

最新の注目記事