遺伝子治療 安全性向上し続々実用化 治療法ない病気に劇的効果=山崎清一
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遺伝子治療の実用化が相次いでいる。日本でも近く、バイオベンチャー「アンジェス」の遺伝子治療薬が承認される見通しだが、欧米では、2012年以降、七つの治療薬が承認された(表)。いったんは安全性の問題から研究開発が停滞したが、そうした問題を克服し、画期的な新薬が登場している。
遺伝子治療の定義は幅広いが、治療用の遺伝子(従来の医薬品に相当)を注射で直接患部の細胞などへ投与したり、治療用の遺伝子を組み込んだ細胞を患者に投与することで治療を行う方法をいう。遺伝子を患者の細胞に届けるために、ウイルスの感染力を利用することが多い。
1990年に米国で世界初の遺伝子治療が実施されたのを契機に、世界中で研究開発が活発化した。しかし、02年、遺伝子を体内に運び込むベクター(運び屋)であるウイルスの影響で、治療を受けた患者が白血病を発症、研究開発が停滞した。
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週刊エコノミスト
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