再生医療最前線2 臓器のもと作るヘリオス社 急性期の脳梗塞も注目分野=繁村京一郎
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肝臓などの臓器の「もと」を作り出し、患者の体内で育てて、機能を改善させようという研究開発が進んでいる。
再生医療ベンチャーのヘリオスは、iPS細胞を使って、目の病気である加齢黄斑変性の臨床試験の準備を進めているほか、後述するように脳梗塞(こうそく)の臨床試験を実施中である。これに続く「第三の矢」が、臓器のもとである「臓器原基」を作る研究開発だ。この再生医療は、臓器原基を患者に移植することで、生体内で機能する臓器に生育させる治療法である。
臓器原基の作成方法はこうだ。iPS細胞から作られた、肝細胞や腎細胞に変化できる臓器の前駆細胞を、細胞同士をつなぐ間葉系幹細胞、血管を作り出す血管内皮細胞と混ぜて培養することで、血管構造を持つ立体的な臓器の「もと」ができるのである。
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週刊エコノミスト
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