ファーウェイ製品の排除問題 中国の報復で米同盟国間に亀裂 コストと安全の二兎追えない5G=山崎文明
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米トランプ政権が同盟国などに対し、次世代高速通信網「5G」のインフラ構築に中国の通信機器大手ファーウェイの製品を、安全保障上の問題から使用しないよう働きかけている問題で、同盟国側では排除に慎重な姿勢を示す国が出始めるなど足並みの乱れが顕在化している。
英政府機関の通信本部国家サイバーセキュリティーセンター(NCSC)は2月17日、ファーウェイ製品を5Gのシステムに使用しても、リスクを制限する方法があると結論付けた、と英BBCが報じた。また、ニュージーランド政府は、2018年11月に同国の大手通信事業者スパーク・ニュージーランドが提出したファーウェイ製品を使用した5Gモバイルネットワーク整備計画を一度は却下したが、2月18日にはアーダン首相が会見で「ボールはスパーク側にある」としてリスク判断をスパーク側に任せるとし、ファーウェイ排除論のけん制に転じた。
米国にとって深刻なのは、「UKUSA(United Kingdom-United States of America)と呼ばれ、機密情報を共有する協定で深く結びついた米国、英国、カナダ、豪州、ニュージーランドの5カ国(通称「ファイブ・アイズ」)の間で温度差が広がっていることだ。米国が強硬な姿勢を貫けば同盟国間に亀裂が深まる可能性がある。
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週刊エコノミスト
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