米朝交渉「決裂」打開へ ボールは北朝鮮側にある=礒崎敦仁・慶応義塾大学准教授
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合意なしに終わった第2回米朝首脳会談や今後の米朝交渉の行方をどう見ればいいのか。北朝鮮政治が専門の慶応義塾大学の礒崎敦仁准教授に聞いた。
(聞き手=桐山友一・編集部)
第2回米朝首脳会談は合意なしに終わり、事実上決裂した。トランプ大統領は第2回の首脳会談後、「交渉自体は破綻していない」というメッセージを送っているが、3回目の首脳会談の日程も決まっていない。トランプ大統領の任期が21年1月の満了まで2年を切り、国内で不安要因を多く抱える中で再選されるかも分からない。北朝鮮側は昨年9月から今回の首脳会談を求め続けてようやく実現した経緯があり、3回目をセットするには時間を要することになる。
北朝鮮側は今回、なんら合意が得られないことを、まったく想定していなかった。合意ゼロの可能性が少しでもあるならば、朝鮮労働党機関紙『労働新聞』や朝鮮中央テレビで大々的に米朝首脳会談について報道する必要はなかった。とりわけ『労働新聞』は北朝鮮の人々が読む義務を課されており、影響力は非常に大きい。『労働新聞』では金正恩(キムジョンウン)委員長が米朝会談に向け出発したことなども大きく報じていた。
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週刊エコノミスト
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