インド・パキスタン交戦 核保有国同士に緊張高まるも危機的状況はひとまず回避へ=石井順也
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インド空軍機が2月26日、隣国パキスタン北東部で空爆を行った。インドとパキスタンは領有権を争うカシミールで何度も衝突しているが、空軍機の領空侵犯と爆撃は1971年の第3次印パ戦争以来となる。インド、パキスタンともに核保有国であり、両国の交戦は周辺地域のみならず世界を震撼させている。
空爆のきっかけとなったのは、カシミールのインド実効支配地域で同月14日、パキスタンに拠点をもつ武装勢力の自爆テロによって、インドの治安部隊約40人が死亡した事件である。過去20年間に起きたこの地域のテロ事件の中で最多の犠牲者を出し、その報復としてイスラム武装勢力の拠点を攻撃。インド政府は多数のテロリストを殺害したと発表した。
一方、パキスタン側も27日、空軍機がカシミールのインド地域を空爆。交戦に入ったインド空軍機を撃墜し、パイロットを拘束した。パキスタンは2日後にパイロットを解放し、カーン首相が対話を呼び掛けたが、インドは応じる姿勢を見せていない。カシミールの国境地帯では砲撃戦が起こり、住民が避難する事態となった。
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