企業の「相互保証ネットワーク」が絡み合う中国
有料記事
またもや中国の債務問題がくすぶり始めた。中国の調査会社によれば、2018年の中国の社債デフォルト(債務不履行)は前年比3倍超の総額約1200億元(約2兆円)にのぼるという。また、複数のメディアが報じたところでは、1月下旬に償還期限を迎えた大手投資ファンド、中国民生投資集団(中民投、CMIG)の社債30億元(約500億円)の支払いが遅れたという。その後、支払いは実行されたようだが、中国の社債市場には一時、大きな緊張が走った。
厳しい資金繰りを債務再編によって乗り切ろうという動きも広がっているようだ。ロイターによれば、山東省では少なくとも28社が債務再編によって経営破綻を回避しようしているという。中国では企業が銀行融資を受ける際、相応の担保がなければ別の企業に債務保証をしてもらう「相互保証ネットワーク」が複雑に積み上がっている。そのため、ある企業がデフォルトに陥ると、別の企業もドミノ倒しのように破綻する可能性がある。
残り710文字(全文1124文字)
週刊エコノミスト
週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で直近2カ月分のバックナンバーが読める