「次回作は原爆がテーマの長編です」『ニムロッド』で芥川賞 上田岳弘=作家/736
有料記事
仮想通貨をモチーフに現代社会の不安をあぶり出した小説『ニムロッド』で今年1月、第160回(2018年下半期)芥川賞を受賞した。急激に進むテクノロジー、台頭する巨大プラットフォーム企業へも警鐘を鳴らす。
(聞き手=稲留正英・編集部)
── 第160回(2018年下半期)の芥川賞受賞作『ニムロッド』では、さまざまなモチーフが登場しますね。
上田 大きなモチーフが二つあります。仮想通貨と「駄目な飛行機」です。ビットコインなどの仮想通貨は、自分が所属するIT業界のホットな話題なので、取り上げることに特に抵抗はありませんでした。純文学が対象の芥川賞で扱うという文脈で見た場合は、ちょっと評価されづらいだろうとは考えましたが。
残り4759文字(全文5066文字)
週刊エコノミスト
週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で直近2カ月分のバックナンバーが読める