週刊エコノミスト Onlineワイドインタビュー問答有用

「免疫不十分」を啓発 小山万里子=「ポリオの会」代表/737

    「生ワクチン由来の患者なのに、ポリオと診断されていない、他の疾患名がついた人がかなりの数いるのではないか」 撮影=山崎博史
    「生ワクチン由来の患者なのに、ポリオと診断されていない、他の疾患名がついた人がかなりの数いるのではないか」 撮影=山崎博史

     かつて「小児マヒ」の名で知られたポリオは、ワクチンの普及によって、日本では根絶されたかの感がある。だが、罹患から数十年後に新たに発症するポリオ後症候群(PPS)や、生ワクチン接種者の潜在的リスクなど、ポリオの不安は今も続く。

    (聞き手=山崎博史・ジャーナリスト)

    小山 「ポリオ」というウイルスによる感染症です。通例は口から入り、腸内で増殖し、血液の流れに乗って脊髄(せきずい)に到達します。灰白質を好んで侵し、その支配下の神経が駄目になり、筋肉がマヒする。小児の脚が短く細くなって爪先立つ症状が典型的ですが、上肢や顔面などにもマヒは出るし、呼吸筋がマヒすると死に至ります。小児の発症が多いため、以前は脊髄性小児マヒと言われ、脳性小児マヒと混同されたりしましたが、大人も罹患(りかん)します。死亡率も高かった。私の場合は1歳9カ月で発症し、左脚に後遺症が出ました。

    小山 日本は1960~61年の大流行時、当時のソ連(現ロシア)とカナダからポリオ生ワクチンを緊急輸入し、抑え込みに成功しました。いまでは野生株のポリオウイルスは日本では絶滅し、2012年の生ワクチンによって発症した患者を最後に、患者は出ていないというのが国の認識です。もうポリオは解決済みということです。

     でも、違います。ポリオ体験者は、罹患後数十年して突然、筋力低下や筋肉痛などを伴う「ポリオ後症候群」(PPS)という深刻な症状と向き合います。さらに、生ワクチンによる発症が見落とされています。

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