教養・歴史書評

公務員の政治化を憂え 専門性再獲得に向け提言 『官僚たちの冬 霞が関復活の処方箋』 評者・小峰隆夫

     加計学園問題、統計の不正処理などの不祥事が続く中で、官僚のあり方が改めて問われている。これは、一部の官僚が間違っただけなのか、官僚組織に潜む構造的な問題の表れなのか。後者だとすれば、同種の問題はこれからも起こり得ることになり、深刻度は一段と大きい。本書の診断は「政治主導の名の下に行われてきた行政改革や公務員制度改革の設計及び運用に問題があった」というものだ。問題は深刻なのだ。

     評者は経済企画庁で長い間官僚生活を送ってきたので、政治と官僚の関係、公務員のあり方などについては強い関心を持っている。しかし、各方面で繰り広げられる議論を見ていると、「実際はちょっと違うのでは」と、隔靴掻痒(そうよう)の感があった。本書にはそれがない。著者が大蔵省(現財務省、金融庁)に勤務し、さらに政府内で行財政改革を担ってきた経験を持っているからだと思う。

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