教養・歴史書評

「持たざる国」日本はどう延命するべきか=井上寿一

 世界は今どのような時代を迎えているのか。片山杜秀『新冷戦時代の超克 「持たざる国」日本の流儀』(新潮新書、740円)は「新冷戦」の時代と答える。冷戦の終結は百も承知だろう。それでも「新冷戦」と呼ぶのは、「イデオロギーによらない冷戦」が始まっているからである。他方で東アジアでは旧冷戦の構造が残存している。朝鮮半島と中国に分断国家が存続しているからである。

 新旧の冷戦による重層的な構造の東アジア国際政治において、日本はどうすればよいのか。本書は言う。

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