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認知症で資産塩漬け 家族信託、成年後見の両極化=黒崎亜弓
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高齢化が進むなか、2030年時点で認知症患者の保有する金融資産は215兆円、家計の金融資産の1割に達するとの試算がある(第一生命経済研究所の星野卓也氏)。認知症だと本人の意思確認が難しいとして、金融機関や証券会社は金融取引に応じない。不動産の売買なども同様だ。かつては家族による手続き代行も容認されていたが、コンプライアンス(法令順守)強化の姿勢が強まっている。
財産に手をつけられないばかりか、さまざまな契約の面でも支障を来す事態に対処するために設けられているのが成年後見制度だ。親族などの申し立てを受けて家庭裁判所が選任した成年後見人が、本人に代わって財産管理と生活面の手続きを担う。必ずしも申し立てた親族が選任されるとは限らず、司法書士や弁護士、社会福祉士といった専門職が選任されるケースの方が多い。18年には選任件数3万6298件のうち、司法書士は1万5…
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