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教養・歴史 書評

『イノベーションと技術変化の経済学』 評者・土居丈朗

著者 岡田羊祐(一橋大学大学院教授) 日本評論社 2800円

イノベーションとは何か 理解促す平易な鳥瞰図

 第4次産業革命が注目され、イノベーションが時代を切り開いている。

 イノベーションとは何か。その本質を経済学的に理解したかった人にとって、本書は待望の書といえる。

 イノベーションは、無形であるが故に、捉えがたいところがある。本書では、技術とイノベーションを峻別(しゅんべつ)し、生産活動において、インプットをアウトプットに変換する関係を「技術」と呼び、生産活動に利用される技術が変化するプロセスを「イノベーション」と呼ぶ。

 そして本書では、イノベーションの効果をいかに測定するか、研究開発投資の評価基準をいかに設けるか、知的財産制度や競争制度、イノベーション政策が直面する課題は何かについて問うている。

残り867文字(全文1220文字)

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