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財政赤字許容する「現代金融理論」 投資の神様も「リスクあり」と批判=岩田太郎
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「米政府は通貨を限度なく発行する権利を持っているため、国の借金返済が滞る債務不履行は起こらない。経済成長と雇用の増加が続いている限り、政府債務残高はいくら増加しても問題ない」──。こんな学説が米論壇で熱い議論を巻き起こしている。
米政治ニュースサイト「ザ・ヒル」は3月16日付の記事で、「この説は現代金融理論(MMT)と呼ばれ、経済学の主流ではない。だが、(欧州型の)国民皆保険制度や(気候変動対策として化石エネルギーから再生可能エネルギーへと完全転換を目指す)グリーン・ニューディールを支持する民主党左派の間で広がりを見せている」と解説した。
さらに、「民主党のオカシオコルテス下院議員は、『国民皆保険やグリーン・ニューディールの財源として、MMTは不可欠だ』と主張している」とし、MMTが左派的な政策の財政的な裏付けとされていると指摘した。
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週刊エコノミスト
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