米中企業の買収防止に国有化 独経済相の保護政策に批判=熊谷徹
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欧州では、アルトマイヤー・独連邦経済エネルギー相が発表した産業保護政策をめぐって激しい議論が行われている。
ドイツの保守系日刊紙『フランクフルター・アルゲマイネ(FAZ)』は、2月5日付の電子版で「アルトマイヤー氏は『国家産業政策2030』という政策提言書の中で、『中国企業などによる買収攻勢が強まる中、安全保障や経済政策の面で重要な業種については、ドイツ政府が資本参加して買収から守るべきだ』という方針を打ち出した。同氏は保護の対象として自動車、化学、光学、医療機器などを挙げ、シーメンスなどの大企業の保護に力を入れることを明らかにした。また大企業の合併に関するEU規制も緩めるべきだと主張する」と伝えた。
また、FAZは「アルトマイヤー氏は『今後は米中企業が独占的な力を発揮し、ドイツ企業を買収しようとするケースが増える。民間努力だけでは防げない場合、政府が最後の手段として部分的に国営化する可能性を残すべきだ』とも述べている」と説明した。
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週刊エコノミスト
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