今年の全人代「異例の響き」とは?=坂東賢治
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例年3月5日に開幕する中国の全国人民代表大会(全人代=国会)。冒頭の首相による政府活動報告は前年の実績を自画自賛し、今年の目標実現に自信を見せるのが通例だが、経済減速が顕著になる中で行われた今年の李克強首相の報告はこれまでの予定調和的な内容とは程遠かった。
昨年の経済成長率は6.6%と28年ぶりの低い水準に終わり、今年の中国経済にも暗雲が漂う。李首相は「国内経済の下押し圧力が強まっている」と認め、「予測できるリスク・試練と、予測できないリスク・試練が増加する」と「激闘に向けた準備」を強調した。
「異例の響き」と書いたのはドイツ紙『ウェルト』(3月6日)だ。米紙『ロサンゼルス・タイムズ』(同)は「人々が満足していないことを認めた」と評し、英紙『ガーディアン』電子版(3月5日)は「厳しい闘争を呼びかけた」と表現した。
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週刊エコノミスト
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