日本がリードする人工光合成 太陽光から有用化学品を…=松永新吾/29
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日本がリードする人工光合成 太陽光から有用化学品を作る
太陽光エネルギーの新たな活用法として、人工光合成が注目されている。人工光合成というのは、文字通り、植物が行っている光合成を人工的に再現する技術のことだ。植物の光合成は明反応(太陽光が必要な反応)と暗反応(光を必要としない反応)を組み合わせることで、水と二酸化炭素から酸素と糖(でんぷん)を作り出すプロセスである。
一方、人工光合成は太陽光と光触媒(光を吸収して触媒作用を示す物質)を利用して水を分解するところまでは同じだが、酸素やでんぷんを作りたいわけではない。人工光合成の目的はクリーンエネルギーである水素の生成、さらには、二酸化炭素を還元(電子を与える)して炭化水素(炭素と水素の化合物)などの有用化学品を生成することだ(図1)。
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週刊エコノミスト
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