テクノロジー図解で見る電子デバイスの今

それでも「フォルダブル元年」と呼ばれる理由=津村明宏/30

    Galaxy Foldを発表するサムスン・モバイル事業トップのD.J.Koh氏 (サムスン提供)
    Galaxy Foldを発表するサムスン・モバイル事業トップのD.J.Koh氏 (サムスン提供)

     2019年のスマートフォン市場は「フォルダブル(折り畳み)元年」になるといわれているが、その船出は厳しいものになりそうだ。

     韓国のサムスン電子は、4月26日に発売予定だったフォルダブルスマホ「Galaxy Fold」の発売を延期すると発表した。正式リリースに先立ってGalaxy Foldを貸し出していた多くのレビュアー(評価者)からディスプレーに関して「半分が映らなくなった」「膨らみが生じた」「折り目がついた」などといった不具合が多数報告されたことを受けたもの。なかには、本来ディスプレーを保護する役割を持つフィルムを剥がしてしまったという、ユーザー側の不手際と思われる故障もあったようだが、理由が何であれ、サムスンは「正式な発売日を後日公表する」とし、サムスン初のフォルダブルスマホは仕切り直しを迫られた。

     改めて、フォルダブルとは「1枚のディスプレーを折り畳むことができる」という意味である。これによって本体のサイズは従来のスマホとほぼ同じでありながら、折り畳んだディスプレーを開くとタブレット端末の画面サイズを実現できるようになる。フォルダブルは、登場から10年以上が経過して出荷台数が伸びなくなったスマホ市場を再び活性化する起爆剤の一つになると期待されており、サムスンに続き、中国の華為技術(ファーウェイ)など大手端末メーカーが今年から相次いでフォルダブルスマホの投入を予定している。

     フォルダブルを可能にしたのは、有機ELディスプレーの進化であり、また同時に、サムスンの長年にわたる研究開発成果と言っても過言ではない。有機ELは、これまでディスプレーの主流だった液晶と異なり、電気を流すと有機材料が光る自発光ディスプレーである。自ら発光しない液晶には不可欠なバックライト光源が不要になるため、基板をガラスからフィルムに変更することで、搭載する機器の形状に合わせてディスプレーを曲げた…

    残り2753文字(全文3552文字)

    週刊エコノミスト

    週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
    有料会員になると、続きをお読みいただけます。

    ・会員限定の有料記事が読み放題
    ・1989年からの誌面掲載記事検索
    ・デジタル紙面で過去8号分のバックナンバーが読める

    通常価格 月額2,040円(税込)

    週刊エコノミスト最新号のご案内

    週刊エコノミスト最新号

    11月3日号

    コロナ株高の崩壊14 金利上昇で沈むハイテク株 11月にダウ5000ドル暴落も ■神崎 修一17 リスク1 米バブル 下落局面への転換点 ■菊池 真19 リスク2 GAFA 米IT潰し ソフトバンクも試練 ■荒武 秀至20 米大統領選 勝敗予想 バイデンの「雪崩的勝利」も ■中岡 望23 失業率が示 [目次を見る]

    デジタル紙面ビューアーで読む

    おすすめ情報

    最新の注目記事

    ザ・マーケット