安価な次世代太陽電池 亜酸化銅型は日本が先行=松永新吾/31
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銅の酸化物である亜酸化銅(Cu2O)は赤色の顔料で、船底に塗布する防汚剤として昔から広く利用されている。銅や酸素は資源的に豊富で、酸化物なので人体や環境への負荷も少なく、価格も安い。整流作用があることから、古くはAC─DCコンバーターなどの整流素子として利用されていたが、最近では安価な次世代太陽電池として注目されている。
Cu2Oはおおむね600ナノメートルまでの太陽光の波長を吸収可能で、光吸収係数が高いことから薄膜の太陽電池を実現する。理論変換効率は20%といわれ、1970~80年代に米国を中心に研究が活発化したが、当時は変換効率がなかなか上がらなかった。その後、研究は下火になったが、近年は、安価な次世代太陽電池として再び脚光を集めており、世界中で研究が進んでいる。
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週刊エコノミスト
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