テクノロジー図解で見る電子デバイスの今

安価な次世代太陽電池 亜酸化銅型は日本が先行=松永新吾/31

透過型Cu2O太陽電池(東芝提供)
透過型Cu2O太陽電池(東芝提供)

 銅の酸化物である亜酸化銅(Cu2O)は赤色の顔料で、船底に塗布する防汚剤として昔から広く利用されている。銅や酸素は資源的に豊富で、酸化物なので人体や環境への負荷も少なく、価格も安い。整流作用があることから、古くはAC─DCコンバーターなどの整流素子として利用されていたが、最近では安価な次世代太陽電池として注目されている。

 Cu2Oはおおむね600ナノメートルまでの太陽光の波長を吸収可能で、光吸収係数が高いことから薄膜の太陽電池を実現する。理論変換効率は20%といわれ、1970~80年代に米国を中心に研究が活発化したが、当時は変換効率がなかなか上がらなかった。その後、研究は下火になったが、近年は、安価な次世代太陽電池として再び脚光を集めており、世界中で研究が進んでいる。

残り3007文字(全文3346文字)

週刊エコノミスト

週刊エコノミストオンラインは、月額制の有料会員向けサービスです。
有料会員になると、続きをお読みいただけます。

・会員限定の有料記事が読み放題
・1989年からの誌面掲載記事検索
・デジタル紙面で直近2カ月分のバックナンバーが読める

通常価格 月額2,040円(税込)

週刊エコノミスト最新号のご案内

週刊エコノミスト最新号

4月16日・23日合併号

今こそ知りたい! 世界経済入門第1部 マクロ、国際政治編14 長短金利逆転でも景気堅調 「ジンクス」破る米国経済■桐山友一17 米大統領選 「二つの米国」の分断深く バイデン、トランプ氏拮抗■前嶋和弘18 貿易・投資 世界の分断とブロック化で「スローバリゼーション」進行■伊藤博敏20 金融政策 物価 [目次を見る]

デジタル紙面ビューアーで読む

おすすめ情報

編集部からのおすすめ

最新の注目記事